温泉浴もチムジルバンも!
釜山には東莱、海雲台、広安里、影島、松島など、市内随所に温泉が湧いている。それらの温泉は、現代的な大型スパランド、地元の人が通うチムジルバン、ホテル内の高級サウナ、昔ながらの沐浴場(銭湯)や家族風呂と、さまざまなスタイルで堪能できる。また、公共の足湯もいくつかある。泉質も場所によって異なり、海水温泉があるのも釜山ならでは。温泉好きの日本人にも大好評だ。
大型のスパランドやチムジルバンは、外国人観光客にも利用しやすいといえる。基本的にタオル、ソープ、シャンプーなどは準備してあるので、手ぶらで利用可能。なお、入浴施設を総称して、サウナやチムジルバンと呼ぶことも多い。
東莱温泉
新羅時代の王も立ち寄ったという歴史が残る、韓国最古の温泉地「東莱温泉」。温泉観光地としては、釜山港開港後、日本人が本格的に開発したのがはじまり。温泉場駅前の中央大路の向こう、金井山の麓に広がる一帯が東莱温泉といわれている。大型温泉施設「虚心庁」や「鹿泉湯」が有名で、そのほか、沐浴場などが点在。湯量豊富で湯温は高め、アルカリ性弱食塩泉でマグネシウムも多く含有する。なかでも、虚心庁は、1300坪、3000名収容の規模、大きな天窓からは明るい光が差し込む。洞窟湯や露天風呂など40種以上の浴槽で、効能別に温泉が楽しめる。ホテル農心の付帯施設ということもあり、日本人観光客の利用も多い。
最近、温泉場エリアも再開発が活発だが、ホテル農心周辺には「東莱温泉露天足浴場」などもあり、温泉町の風情も感じられる。
海雲台温泉
また、海雲台は、海と温泉が楽しめる地として有名。海雲台区庁の敷地内には、「海雲台温泉」の石碑と足湯広場も設置されている。泉質は地域により多少異なるが、アルカリ性単純食塩泉でラジウムを含む。
「パラダイスホテル釜山」や「ウエスティン朝鮮」、「ベニキアプレミアホテル」など、温泉施設を持つホテルも多く、宿泊客以外でも利用可能なところもある。パラダイスホテル釜山の「オーシャンスパ シメール」では、海雲台の美しい海を目に温泉が楽しめる。夜は月明かりの下、幻想的で贅沢な時間を堪能できる(※利用は宿泊客のみ)
そして、温泉施設では「センタムシティスパランド」(新世界センタムシティ)がポピュラー。ガラス張りのモダンな建物の中にはフィンランド式サウナから韓国の黄土窯のサウナなどがあり、地下1000mから湧く2種類の温泉(塩化カルシウム成分含有、塩化ナトリウム成分含有)を大浴場や露天風呂で楽しめる。
また、海雲台区庁横の「海雲台温泉センター」は24時間営業。ここは90年以上続く温泉施設で、現在の建物は2006年に開館したもの。2000〜3000人が同時収容可能、サウナ(浴場)とチムジルバンに分かれている。海雲台のホテルの大半から徒歩圏内なので、ツーリストも利用しやすい。
そのほか、マリンシティの「スパ マリン」では、地下1000mからの岩盤海水温泉を使用。タルマジの小高い場所にある「ヒルスパ」は、おしゃれな雰囲気で眺望も抜群だ。
なお、海雲台LCTにある「CLUB D OASIS」は国民保養温泉として、釜山で初めて指定されている。
影島、広安里、松島の温泉
影島には、太宗台公園手前に有名な温泉施設「太宗台温泉」がある。ここの温泉は塩分を豊富に含む食塩温泉水で、肌にやわらか刺激と温熱作用があるという。広々とした大浴場、露天風呂はもちろん、黄土汗蒸幕を備えているのも特徴だ。
そして、広安里の大型スパも若者に人気のスポット。1994年にオープンした「広安海水ワールド」は、地下1127m以上からの海洋岩盤水を使用。ホテルアクアパレスの付帯施設「WATER PARK & SPA」では、地下816mからの天然岩盤深海温泉水が楽しめる。
また、松島海上ケーブルカーや松島龍宮雲の橋などの観光名所が話題の松島エリアにも、温泉施設が点在する。
◆チムジルバン 찜질방
チムジルバンは、韓国の低温サウナのことで、浴場、休憩ルームなどがある入浴施設。テミリ(アカスリ)を行なったり、汗蒸幕を備えるところもある。館内着を着用するため、共用スペースではファミリーや恋人同士で一緒に過ごせるのも魅力。また、韓国ドラマやテレビ番組で見かけるヤンモリ(頭をタオルで羊の頭のように巻く)を、本場のチムジルバンでやってみたいという若い女性も多い。
◆ 汗蒸幕(ハンジュンマク) 한증막
韓国の伝統的なサウナ。ドーム型の石窯の内部で、麻の袋のようなものを被って過ごす。温度は90〜120度と高温で、デトックス効果も期待できる。黄土の窯を使ったところ、松の木を焚くところなどもある。以前は釜山の街にも観光客向けの汗蒸幕が数軒あったが、最近ではほとんど見かけなくなった。
釜山から足をのばして