釜山の味がぴりりと効いたストーリー
BIFF釜山国際映画祭の開催で、映画の都市としても知られる釜山。最近では映画やドラマの撮影も多く、それらはロケ地として人気の観光スポットになっている。そして、映画やドラマの中で釜山の風景を見て、その空気を感じられるのは喜ばしい。
そんな中、釜山関連の映画として、最初におすすめしたいのが邦画の「めんたいぴりり」(2019年製作 主演/博多華丸 富田靖子 監督/江口カン)といえる。これは、戦後の混乱期に博多でめんたいこを作り、博多名物に育て上げた主人公とその妻、周辺の人々を描いた感動のストーリー。戦前、日本の統治下の釜山で生まれ育った主人公が、その思い出の味「ミョンランジョ」をめんたいこ作りのヒントにしているという部分に、釜山がぴりりと効いている。また、映画を目に、福岡と釜山の歴史と距離感(物理的・心理的な近さ)をあらためて感じるはずだ。
この映画は2019年の「BFFF 釜山フードフィルムフェスタ」開幕作品としても上映されている。有名な作品なのですでに観た人も多いと思うが、まだという人はぜひ、DVDや配信などで観てみよう。
PROFILE
江口カン
福岡生まれ。映像制作会社KOO-KI所属。
カンヌ国際広告祭で三年連続受賞をはじめ国内外での受賞歴多数。
2013年、東京五輪招致PR映像ではクリエイティブディレクションを務める。
同年、ドラマ「めんたいぴりり」を監督。2015年、続編「めんたいぴりり2」を監督。2018年、映画「ガチ星」を企画・監督。2019年、映画「めんたいぴりり」を監督。2019年、映画「ザ・ファブル」を監督。2021年、監督映画「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」を全国公開。